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トラさんが虹の橋を渡って行きました

2018年3月12日午後10時少し前に、これまで安定していたトラの容体が急に変わり、クローゼットの奥に引きこもっていたのをハルが見つけ、名前を呼びながら優しく撫でていることに妻が気が付きました。

その時トラは痙攣を起こしていたようです。痙攣が治まってからは右後ろ脚が麻痺したまま引きずるような歩き方で、落ち着ける場所を探して彷徨っていましたが、10時半少し前に妻の腕の中で短く2度ほど叫びながら亡くなりました。

苦しかったのだとは思いますが、妻を母親だと思って慕っていたので、抱かれながらだったのは幸せな最後だったのだとも思います。11歳という猫としてはとても短い一生でした。

はじめに異変に気がついたのは家に遊びに来ていた子供たちで、昨年11月にトラが妙に痩せていると言い出したのが始まりです。

いつも一緒に居る私達は、言われてみると痩せてきていると感じるくらいでしたが、同時に呼吸が速いことに気がつき、病院へ行くことになります。そして、お医者さんの説明で、心臓の筋肉が厚くなっており、片方の心房が機能していないことを知ったのです。そのため血液を体中へ送ることが難しくなっているということでした。腹部に溜まっていた腹水は500ccほどで、それも肺を圧迫し呼吸が速くなる原因のひとつでした。

切開して検査するにも体力が落ちており無理だということで、薬で状態を緩和して見守ることとなります。体力をつけるためにステロイド剤の副作用で食欲が出るようにと工夫もしてくれました。文献を調べて心筋に効果がある薬の投与も始まり、病院へ行き始めた頃よりもかなり状態は良くなり、腹水も週に200cc程度になりました。

しかし、それから4ヶ月ほどの間に、もう片方の心房も機能を失い、心臓の筋肉は次第に厚くなり、1週間から2週間に1回程度だった腹水を抜く日帰り入院も、腹水の量が次第に増え、1週もつかどうかというところまできていました。

そんなトラと過ごしながら私達には何も出来ず。少しでも近くに寄り添って、室温やエサに気を使い、気持ちよく居られる場所を用意してあげるだけでした。

トラは14日の12時から小樽ペット霊園で葬儀を行い火葬します。トラが家に来たときに優しく寄り添っていたベティも眠っている霊園です。ベティはまた虹の橋の向こうでトラを優しく迎えてくれることでしょう。

犬や猫と暮らすということ

もう8年も前になるが、7歳だったゴールデンレトリーバーのベティがガンで亡くなった。
それまでの7年間の彼女との思い出はたくさんある。
3匹の猫達のお母さん役で、家に来た子猫たちは当然のように彼女の豊かな毛の中に埋もれていた。ベティはたまに困った顔をするが、優しく見守っていてくれた。最初に来た猫がキジトラのトラさん。2番目が薄いベージュのトラ猫のテト。3番目が茶トラのチャト。トラとテトは譲渡会、チャトは余市の農家の納屋で生まれた後にうちに来た。

猫が来る前は妻と娘達とベティとで北海道中をキャンプで回った。一度だけキャンプでは行けない時期に動物病院に預けたことがあるが、水も飲まずご飯も食べずにいたそうで、それ以来いつも一緒に行けるキャンプを選ぶことになったわけだ。

そして、猫が来てからもキャンプ旅行は続き、猫3匹と犬1匹を荷台に載せ、猫の居心地のいい籠と猫のトイレを積んで、キャンプ用品はすべて屋根のキャリアに積んでの旅行だった。

そしてある日、ベティの容態が突然悪くなり病院へ行ったが、肺の辺りに大きな腫瘍があることがわかった。その日の夕方に更に悪化して血を吐き始めて亡くなった。まだ7歳という若さだった。

それから2年間は犬を飼うという気持ちになれずに過ごすが、やはり犬と暮らしたいという気持ちが出てきた。妻と相談し、保健所に収容されている犬を見に春の里親探しの会に行くことになる。以前から飼うことがあったら保健所からもらおうと話していた。

その譲渡会には犬は一匹も居なかった。猫達を見ながら妻と歩いていた時に、収容犬の保護活動を行っている団体の方に声をかけられ、「わんちゃんをお探しですか?」と保護している犬の写真を見せていただいた。よほど犬好きな顔をしていたのだろうか(笑)

それが今家に居るプーさんだ。家に来たときはおよそ3歳くらい。獣医の先生とも意見が合ったので間違いないだろう。それから6年が過ぎ、今は9歳になる。

プーさんが猫の居る家に来て、大変だったのは猫たちだった。猫たちは2階から犬の居る1階へ降りてくることはなかった。それでも1月ほどの間に徐々に距離が縮まり、1階の高いところまで来れるようになり、近くを通れるようになり、そして仲良く暮らすことが出来るようになった。

そして一番若い猫、白黒のハチワレのチョビが家に来た。保護猫だった親から生まれた猫で、譲渡会に何度も出ていたのに貰い手がつかなかった猫だ。可愛い気の良い猫なのだが、鼻の下に黒い斑点があり、ちょっと不細工だったからなのかもしれない。そしてその容貌からチョビ髭のチョビという名前になった。

チョビもすぐに家になじんで、プーともよく遊んでいる。どちらからとも無くちょっかいを出して追いかけっこしたりじゃれたりの毎日だ。

犬や猫を飼うといろいろなことが起こる。悪いことの多くは病気だ。

最初の3匹の中で一番若いチャトは慢性腎不全だった。ある日突然血尿を出して獣医へ走った。医者も1ヶ月持つかわからないということだったが、その後の治療の効果か、もう10歳になるが、一番活発かもしれない。

プーは家に来て数ヶ月してから湿疹が悪化して肌がただれて手がつけられない状態になった。医者はダニを疑い、消毒するシャンプーを処方してくれたが治すことは出来なかった。それがあるとき、いつも食べていたヒルズのエサが手に入らなくなり、ビタワンを食べさせた時に症状が軽くなった。医者へ行って状況を話し、何種類かかゆみを止める薬を処方してもらい、数ヵ月後にはほとんど湿疹が出ない状況まで回復した。食物アレルギーだったことが想像されるが、今でも原因は不明のままだ。

そして今は一番年上のネコのトラさんが心臓の壁が厚くなる病気と戦っている。医者はガンのようだと言うが体力も落ちており検査も手術も出来ない状態だ。腹水が溜まり呼吸に影響が出るために週に一度の日帰り入院で水を抜く処置を繰り返している。12月に年を越えられるかと言った医者の言葉から3ヶ月経つが、いつまで生きていられるのかは誰にも分らない。でも次第に心臓の壁の厚みが増し、溜まる水の量も増えてきている。
今は最後のときまで近くに寄り添い、少しでも気持ちよく暮らせるようにしてあげることしか出来ない。

そんな大きな病気ではなくとも、爪を割ったり、じゃれているときに瞼に傷を作ったり、小さな怪我で病院のお世話になることは多い。

はっきり言ってお金がかかる。高くて払えない状況ではないが、1匹病気にかかると、月に数万円は覚悟する必要がある。エサは猫4匹で月に1万円ほど、犬はビタワンなので月に2千円ほどだ。春には狂犬病の予防接種とフィラリアの予防薬で1万円ほどの出費となる。まあ、それを覚悟で飼っているのではあるが、これから飼おうという人の参考になればと思う。

そして最近、市の犬管理所に8才のゴールデンレトリーバーが収容されていることを知った。譲渡する前のトライアルという制度があるのだが、その期間中に手を噛んでしまったそうだ。しかし、どうも7歳で亡くなったベティの面影とかぶってしまう。写真を見るとそっくりなのだ。妻と相談して他でダメなら引き取ることを決めた。私は大型犬もちょっと凶暴な犬も経験はある。
電話したところ、現在いくつかの問合せがあるそうだ。それらでダメだったらということで、列の一番最後に私の連絡先を入れてもらうことが出来た。うちもトラのことを考えるとあまり新しいメンバーを加えられる時期ではないからだ。でも彼女の境遇を見ていると名乗り出ないわけにはいかない。

どうしてそこまでして飼うのだろう。飼ったことが無い人は想像もできないだろうが、いい状態で飼っている人ならわかってもらえると思う。犬や猫を飼うということは理屈じゃない。可愛いから飼うということだけでもなく、犬や猫と一緒に暮らすということに対する価値観の問題なのだと思う。時間やお金や体力など、多くのものを要求されるが、それに余るほどの大切なものを与えてくれるのだ。

さて、このゴールデンは幸せな居場所に辿り着けるのだろうか。早くその場所が見つかるといいのですが。