月別アーカイブ: 2017年2月

ロードスター顛末記 その5

ようやくロードスターが家に来た。

走ってみて思ったのは、やはりスポーツカーとして生まれてきた車だということ。

ほとんどノーマル仕様なのだが、スポーツ感が半端でない。ほんのわずかステアリングを切れば、わずかにアクセルを踏めば、それだけで車の動きが変わる。楽しい車だ。

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スピードとエンジンの回転数はメーターを見れば想定しているものがわかるが、6千回転と130キロがメーターの12時にある。メーターの最上部に常用の一番上を持ってくるというのが常識だが、普通に考えると生活の中ではない数字なのだ。

勝宮さん、次の点検の時に電球を一つ交換してください。一番使うあたりが暗くなってる(笑)

乗って3日目。冬道というのもあるが、まだ数字的には控えめに抑えて運転している。それでも十分にスポーツできるのだ。

FRと知ってか知らずか、大きな四駆車の連中が後ろから煽ってくるが、控えめでも追い越すことができないどころかついてくることも出来ない。FRが雪道に弱いという迷信しか知らない連中にはわからないだろうが、大きな車四駆の車より小さなFRやFFの方が道路は安全に早く走れるのだ。
おまけにこいつはバランスがいい。走るために生まれたロードスターは、雪道の発進や深雪こそ四駆には勝てないが、普通の道のコーナーも停止もはるかに楽にこなすのだよ。
このあたりが車好きを気取っている「高い車が好き」「大きな車が好き」な連中の限界なのだ。そしてその車に乗る最重要部品はドライバーなのだ。峠に入ると車を知らない連中はバックミラーの向こうに消えていく。私はまだ慣らし運転中でかなり控えめにしてるのだけれどね。

早く雪が消えて春の陽気になってほしい。控えめに踏み込んでいるペダルを思いっきり踏み込んでみたい。1000kgで145馬力という控えめなスペックだが、楽しいドライビングは保証してくれるだろう。たぶん、年を食った私の限界ももう近いだろうし。

この後は、ハンドルとシフトレバーを好みというか、使いやすいものに交換予定。ナンバープレートもヤン車的ではないものに交換しなくては。

ロードスター顛末記 その4

-マツダロードスターに至るまでの車達-
今日はちょいと長い。

一番初めの車はトヨタスターレットだった。KP61という形式で通称KP。
小さなファミリーカーなのにCMではラリードライバーのオブ・アンダーソンが峠やダートを走っていた車だ。
学生時代に免許取立てで安い中古を購入して、就職後も乗っていた。共同研究をやっていた会社の人が同じKPに乗っていてラリークラブの練習会に誘われていったのが運の付き。安給料から搾り出しながらショック、アンダーガード類、ロールバー、LSD、足回りの細かな調整を経て完全なラリーカーになった。ガード類やLSDは先輩が刺さって(路外に突き刺さることw)全損した車の部品を安く分けてもらったものだった。取り付け工賃も高いので先輩方に聞きながらのDIYだった。なのでエンジン周り以外のメンテはほぼ自分で出来る。
あるとき改造したKPが意外に高く売れることが分りトヨタレビンへ乗り換えることになる。AE86で通称86(ハチロク)。

86を量産車のレースのクラスであるグループAのレギュレーションを通すためにFISA(国際自動車スポーツ連盟)の役員がトヨタの工場に招かれ、4A-GEという高性能エンジン(当時としては)を本当に量産していることに驚いたという逸話が残っている。ツインカムのアルミのエンジンが量産されるということ自体、当時は凄いことだったのだ。4A-GEには2種類あってトヨタ製とヤマハ製があった。やはりヤマハ製の方がよく回り力があったというのはマニアの間では有名な話だった。私のは運よくヤマハ製だった。

KPを売った差額を払って86に乗り換えて、とりあえず足回りをラリー仕様にした後でRRCK(Rally Rover Club of Kanagawa)の役員の乾さんからレギュレーションの大幅な変更が行なわれることを教えてもらった。変更されると安給料ではきつい状況になることも。

そんなわけで5年ほど続いたラリーに別れを告げることになる。

その後、小樽へ帰るのだが、ちょうどスパイクタイヤ禁止になったころで、当時のスタッドレスはとても使える代物ではなく、FRの86では発進も登坂も難しい状況になったのである。

そんなわけで4WD車を購入することを検討するのだが、一番に候補に挙がったのがスバルのレガシーツーリングワゴンだった。しかし、当時のスバルの営業マンは躾がなっていなくて腹が立って帰ってきたので次の候補を探すことになる(笑)
本当に酷くて未だにスバル車は買いに行こうと思うことは無い。

次なる候補はフォードのテルスターワゴン。知っている方も多いと思うが中身はマツダのカペラワゴンだ。カペラは当時のヨーロッパで高い評価を受けていた足回りを持ち、買ったのはGTだったが86に引けをとらない走りをしてくれた。もちろん荷台も大きくキャンプ旅行も楽々だった。買いに行ったフォードのディーラーで今もお付き合いのある営業マンに会うことになったのだが、工場のメカニックも全員自前のスナップオンを使っていたりするところもテルスターに決める要因にはなっている。

次がマツダファミリアSワゴンスポルト20。従来のファミリアではなくカペラワゴンの前後を切り取ったものと言ったほうが良い。荷台が少し狭くなったが軽くなった車体は軽快なハンドリングを与えてくれた。あまりこだわりも無く買った車だったが、良い足回りは健在で、少し控えめな馬力とが良いバランスの車だった。今でもわりと人気があるようで中古市場でも高い値が付いているらしい。そのSワゴンも扱いが荒かったからかさびが出始めて次を検討する事となる。

もう世の中にマニュアルで楽しめる車が減ってきていたし、そろそろ小さい乗って楽しい車にしようかとも考えていた。そして現在乗っているマツダデミオが候補になった。このデミオは私にとって初のオートマで、初のFFだった。選んだ一番の理由はリッター28キロという当時のガソリン車としては驚異的な燃費だったことだ。どうも車が出来る前に社長が言ってしまったために全社を上げて28キロに到達させたという裏側があったようだが(笑)
マツダはきちんとした車を作る方がハイブリッド車を作るよりも重要だというポリシーを持っていたようで、そこが気に入っていた。ハイブリッド車が環境にやさしいなんてのは嘘だと本当の車好きなら誰もが知っているから。
このデミオ、乗り始めて驚くことになる。とても運転が楽しいのだ。思ったように走り曲がってくれる。冬道のコーナーでもアクセルを開け気味で入っていけば行きたい方向に曲がってくれる。FFだが発進でもトラクションコントロールの出来がよくて前へ進んでくれる。何よりもバランスがいいのでアイスバーンで滑っても立て直しが楽なのだ。さすがマツダ車。そう思った。
昔、材料開発をやっていた頃にマツダの広島の開発の方々と何度かお話する機会があった。とてもまじめで車好きで一生懸命さが伝わってくる人たちだった。あの人たちの作った車なら信頼できる。そんな人たちが作った車なのだ。

初めのKP以外は10万キロ以上乗っていた。一番長かったのは18万キロだったが、テルスターだったかな?86だったかな?
今のデミオも先日の旅行中に10万キロを越えた。
そしてどれも良い車だった。

そうして私も今年は58歳を迎える。
まだ若い気でいるが、体力の低下は実感している。昨年に保護猫を引き取るときに60歳以上は駄目という表示を見て、猫の20年の寿命からするともう後が短い年齢に達してしまったことを実感した。考えてみると妻ももう還暦を越えているのだから。そういうわけで、定年を迎えたら買おうと思っていたロードスターを前倒しして今年買ったわけだ。

明日の昼に納車なのだが、いい年をして遠足前の小学生のようにわくわくしている。何といっても初めてのスポーツカーでありオープンカー。真冬だが天気がよかったらハードトップを外して走ろうかと思っている。

ロードスター顛末記 その3

ロードスター購入後に想定される私にとっての問題点がいくつか。

問題その1
カヤックに乗りに行くときもロードスターで行きたい。私にとって当たり前な話。
しかし、オープンに普通に積むのは無理だし、ハードトップにキャリアを付けて行くのならデミオで十分。
何か良い手は無いものか。同じ悩みの人は絶対にいるはず!
そう考えて探してて見つけたページ。

ZENシーカヤッカーグラフィックvol.1

ロールバーとフロントウィンドウを使って載せてるんですね(笑)
ウインドウ上に水道工事用ウレタンパッドだって。手作り感が大好き!
このアイデアいただいちゃいます!
ゴールデンウィークのカヤック時期入りまでにはロールバーをなんとかします!
本物は高いけど、ファッションバーという見た目だけロールバーというのは安いみたいだし。
一人乗りなら助手席に挿してというのもできそうだ。アメリカのサーファーはよくやってるから(笑)
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問題その2
ガレージというものが嫌いで、家の前に露天で2台分のスペースがある。ぱっと乗ってぱっと出たいというのと、あの鉄板の安っぽい外観が嫌いなのだ。
しかし幌の状態で普段使うとすると劣化が心配だが、ハードトップを使うたびに外すのはすごく面倒そうだ。この際、基本的には幌で使って、嫌いなボディーカバーを買うしかないのかも。これは優先度1かな。

問題その3
付いている夏タイヤが17インチ。タイヤは40か35なのですよ。ペッタンコな扁平タイヤ。ヤンキーみたいで嫌です。嫌過ぎる。タイヤは韓国製の怪しいやつだし。絶対に前の所有者は走り屋ではない。だから車のコンディションがよかったのかもしれないね。
まあ、そのうち買い換えます。タイヤが減ってから替えます。私の感覚からすると16インチの45あたりで十分です。おそらく国産の17インチタイヤ2本分の価格でダンロップあたりのタイヤとアルミがセットで買えるはず(笑)
とりあえず優先度は2くらい。

問題その4
前のナンバープレートのステーが左フェンダーの牽引フックに付いてる。
これもヤンキーっぽくて嫌いです。
そのうちステーを手作りして付け替えます。暇を見て。たぶん簡単。優先度2。

おそらく乗り始めるといろんなことが出てくるはず。整備用の写真入のマニュアルも買ってあるので、なるべくDIYでコスト削減ですね。中古部品はわりと安く出回っているのでなんとかなるでしょ(笑)

この後は車が来てからのお楽しみ。

ロードスター顛末記 その2

NB8Cがあったのはちょいと遠いところ。高速を使って1時間半ほど。
前日に長距離の旅行から帰ったばかりで、帰って来た道を少し戻ることになった。

閑静な住宅街にあるショップは、乗用車のほかにトラックのメンテナンスも行なっているようで、巨体が2台ほどジャッキアップされていた。

見に行ったロードスターはすでに裏の道端に出されていて、外装は白で申し分なく綺麗だった。ネットの情報には無かったブルーのデタッチャブル・ハードトップが載せられていて、それも今回の装備品の一部であるとのこと。冬の保存のためにもありがたいことだ。もちろんスタッドレスも中古ながらサービスだそうだ。

ロードスターというよりも、古い車を買うときに心配な点がいくつかある。外装を含めた車体の状態。特に北海道では雪と融雪剤で痛めつけられるから。
エンジン周りの状態も重要だ。音を聞けば格好分るものだが、見た目も重要だ。オイルの漏れやホースやパイプ関係の劣化は見なくてはわからない。
そしてロードスターでは布で出来た幌の状態は重要なチェックポイントだ。新品を買うと10万は楽に越えるのだから。
車体は下回りも綺麗で、ほとんど錆びはなかった。試乗は出来なかったがエンジン音も良好で、購入後に変えたと思われるビルシュタインのショックも抜けている感じはない。特に幌は新品かと思われるほどの美品だった。
黒のシートに若干の擦れがあり、タバコの焼け焦げもひとつ有ったが大きな問題ではない。
シートに座ると完全に私専用かと思われるほどジャストフィットで、シフトの感触もコクンと綺麗に入る。心配だった天井までの高さも問題ないようだ。車内のプラスチックの内装も意外と程度が良く、アーマオールで拭いてやったら綺麗なりそうだ。
よくロードスターの欠点のひとつに運転席は狭いということを挙げる輩が居るが、スポーツカーというものを理解していないのだろう。そう思う奴は大きく力任せに走るアメ車にでも乗っていればいいのだ。

横で見ている妻はあちこち覗き込んでいる私をニヤニヤしながら見ている。「これにしていい?」と聞くと「好きにしたら?」といった目でにっこりと笑っていた。

というわけでその場ですぐに契約。最短で2週間後の土日に納車出来そうと聞き、嬉々として帰り道に着くわけである(笑)

ただ、この車に乗るにあたって心配事がいくつか残っているのだけれど、それは次回に。

ロードスター顛末記 その1

ユーノスロードスターが出たころはバリバリのラリーストで、あんな軟弱な車といった感覚で見ていたが、メカの出来というか当時のマツダの技術陣のこだわりには一目置いていた。そして近年の自身の老化と妻の「オープンカーで旅行したい」という希望がなんとなくマッチングしていった。

まだ老人と呼ばれる年代ではないが、今のうちにやりたいことをやっておかないと、定年して時間が出来る頃には体力の低下が間違いなく待っている。休みの日にカヤックを積んで海へふらっと出かけるにしても、軽くは無い船体の積み下ろしや運搬は今でもかなり大変なのだ。同じようにスポーツカーをそれなりに運転するには反射神経が衰えてからでは面白くない。近年よく見る「若い頃にあこがれていたスーパーカー」に乗ってトロトロ走る老人達の仲間入りはしたくないのですよ。飛ばすという意味ではなく、トロい走りを自分がするのは恥ずかしい性分なのです。

最近になって中古車市場を探すうちに、NA6CEがいかに少なく、程度がいいものは当時の定価に近いくらいで取引されていることを知った。

とりあえず見つけたはNA6CEのATで最安値は40万円。走行距離10万キロの。
まあいっか!という感じで決めようとも思ったが、やはりATではなくMTが欲しいというところで気持ちが引っ掛かった。やはりスポーツカーはマニュアルだよという気持ちは捨て切れなかった。

調べるうちに、NAではなく次のNBならMTがいくつか見つかることに気が付いた。同時にNA8CのMTも一台見つかったが走行距離18万キロ超。頭の中ではやはり初期型のNA。でも状態を考えると2代目のNBも捨てがたい。そんな迷いの中でそのNA8CEが見に行く前の日に売れてしまった!
やはりこの時期は春に向けてオープンを買おうとする激戦時期なのだね。

そんな経緯でNB8Cを見に行って契約することになるわけ。

続く。