2種類のカラス

よく日常的に見ている真っ黒いカラスにハシブトガラスとハシボソガラスの2種類が居ることを知らない方も多いようで、何かの機会に話すと面白がってくれるので、ここに書いておきます。話のネタにでも使ってください。

違いはいくつかありますが、ぱっと見でわかりやすいのはクチバシです。その名のとおり、太いのがハシブト、細いのがハシボソ。
主に上のクチバシが大きく膨らんでいますが、クチバシに続く額が盛り上がっているのはハシブト、滑らかなカーブを描いているのがハシボソ。クチバシの違いは食べ物の違いから来ているようで、ハシブトの主食は小動物などの肉食だったそうで、小さな動物を引き裂くのに適した形状なんですね。それに対してハシボソは主に草食だそうで、木の実とかを突っつくのに適した形状なのでしょうか。

体全体を比べてみると、ハシブトの方が若干大きく、ハシボソは少しスリムで小さい感じがします。このあたりも食べ物や行動範囲の違いからなのでしょう。

ハシブトガラス

ハシボソガラス

他にも違いがあります。カーカーと澄んだ声なのはハシブトで、ガーガーと品の無い声はハシボソなんです。

また、人のように足を交互に出して歩くのはハシボソで、両足でステップを踏むように歩くのがハシブトです。注意して見ると違いがわかりますよ。

ハシブトは元々は森林に住んでいたということで、ハシボソは河川や野原など町に近いところに生息していました。近年になって美味しいエサが多い市街地に出入りすることが多くなり、双方を同時に目にすることが多くなったそうです。ここにもゴミの影響を受けている野性が居たんですね。

行動を比べると、ハシブトの方が荒っぽく、ハシボソは茶目っ気のある行動が多く見られます。ゴミ箱を漁っているのはハシブト。道端で木の実を道路に置いて割っているのはハシボソ。この行動を見ているとハシボソの方が頭が良いみたいに感じますが、実はハシブトの方が利口なんだとか。いろいろと工夫してエサを漁っているそうです。ググってみると信じられない行動が実際にあるそうです。

双方の住む地域が交じり合っているため交雑種は生まれないのかという疑問を持ちますが、交雑種は確認されていないということです。しかし、判断に迷うクチバシや体格を持つカラスを見ることが多く、「確認されていない」だけなのかもしれません。意外なほど身近な動物の研究が進んでいないのが現状ですから。

最後に、カラスが近くに居て怖いときは、人差し指などをカラスの方に向けて手を突き出すと逃げていくことが多いようです。全てに効果があるわけではないですが、試す価値はあると思います。石をぶつけるとかすると襲ってくることもあるそうなので、指差しで追い払う程度にしておきましょう。

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