故障率

センター入試で発生したリスニングのトラブルについて各メディアが面白おかしく書き立てる。
この問題について話している人の話を聞いていると母数を知らずに話していることに気が付く。あるいは知っていても「算数」が出来ないようである。報道機関の方々は当然知っているだろうが、母数を元に概数で計算すると49万の受験生に対し不良450台で約0.09%、言い換えると1000台に1台弱である。
試験前の動作試験段階で出た不良がどれほど有ったかは報道されていないが、手順の中で不良をふるい落としたものを不良とは言えないだろう。
この0.09%が今回の問題の中で多いか少ないかは判断が分かれるところだが、市場に出回っている製品の不良率と比較するなら、けた違い以上に驚くほど低い不良率である。少し古い2000年のMM総研が大手パソコンショップで行った調査で、パソコンの初期不良率と故障率があるが、主要な6社の平均で初期不良率1.69%、故障率2.89%という数値である。
ソニー製だという話もあるが、PSPやVAIOの故障の多さで評価の低いソニー製ではなくとも、所詮50万台の電子機器(たとえ電子機器でなくとも)で故障率ゼロなどということはありえないことなのである。
「試行テストでは、これほどの割合でトラブルは起きなかった。こんな数は想定していなかった」というコメントがあったらしいが、入念な準備を行っただろう試行テストだけで実数試験は行っていないだろうし、予測式からだけしか推測出来ないものを「万全」と言い切らず、不良は確率的に存在するだろうが再試験などでフォローできるといった、理屈の通った説明を行えなかった事に今回の真の問題があったのかもしれない。