西村 計雄(にしむら けいゆう)美術館

50の声を聞くまで出会えなかったことが悔しいと思える画家です。昨年11月に初めて妻と行った時にもこのブログで書きましたが、新聞で常設展示が春から夏の「百花繚乱」に変わったことを知り、また訪れました。本当に何度でも見に行きたい美術館です。(年間パスを作ってくれないかな)

線と面(色)で空間・光・風を見事に表現している絵はため息が出るほどです。

1909年北海道小澤村に生れ、2000年に東京のアトリエで逝去するまでに数多くの作品を遺している画家ですが、なんと2000年に亡くなる1週間前まで制作していたというのも驚きです。その最後の絵は1990年代に入りお菓子の箱や木などをカンヴァスにして描き始めた「箱絵」です。ゴミ捨て場にまだ使えるものが捨ててあることに対する画家なりの主張なのでしょう。箱絵を描く事について「画家は貧しいから・・・」という言葉が残っていますが、フランスでは勲章や表彰を数多く授与された方です。最後まで貧しい時代を忘れず周囲にも感謝の心を忘れなかったということなのでしょう。この最後に描かれた箱絵は「復元アトリエ」に展示されています。