秋の長い昼

 秋の夜長というが最近は昼も長い。夜が長くなると昼は短いはずだが、昼も長いのは何故かと思うだろう。
 年を重ねるごとに朝起きるのが早くなり、最近は6時には目が覚めてしまう。そうすると何も予定のない休日は8時頃には食事も昨夜の片付けも終わってしまい、昼間の時間をもて余してしまうのだ。夏の間はベイエリアの手伝いと、そのために溜まった用事でほとんどの休日はそれなりに予定があった。
 だが秋になると休みばかりで暇になったわけだ。山へ行こうとも考えたが前日が雨だったり天気が悪かったりで足が遠のいている。

 その秋の暇な昼をどこかへ行って時間を潰そうかと思っても、最近は一番若いネコのチャトが腎不全で長い時間家を空けることが出来ない。休みの朝には動物病院へも行かねばならない。そうすると時間潰しはテレビか映画鑑賞となる。

 こないだは久しぶりに映画2本を見た。「2001年宇宙の旅」と「モーターサイクル・ダイアリーズ」を続けざまに見て、「レナードの朝」を見るつもりが力果ててしまった(笑)

 「2001年宇宙の旅」は小5の時に本を読んで、わけがわからなくて何度も何度も読んで、映画を見たいと思ったら上映権をもつ会社が無くなって見る事が出来なかった。

 映画を初めて見たのは大学に入ってからのことだった。本当にわけのわからない映画だった。それには訳があって、「キューブリックが凝りすぎて予算を使い果たし、終盤の部分を抽象的な表現でごまかした」というのが一般に知られている理由だ。

 では本を読めばわかるというと、されは無理だろう。あの本はノベライズ版で映画の脚本を元に小説化したものだからだ。映画よりは幾分わかりやすいが、わかりにくいことに変わりは無い。一部の資料で小説があって脚本が書かれたとあるがおそらく間違いだ。発表された時系列で見ても映画が先で小説が後に発表されている。

 そのわかりにくい結末に説明を付けようとして2010年や2061年、3001年が書かれているが私は2010年を読んだところでやめにした。政治色が濃くなり夢のあるものではなくなったからだ。クラークも年老いて苦心したのだろう。

 「モーターサイクル・ダイアリーズ」はバイクの旅物として興味があり、どこかの評論で誉めていたのを見てみたいと思っていたものだ。ゲバラの若い頃のだとは知らなかった。だが映画的にも大変素晴らしいものであったが、ゲバラがなぜ革命家になったのか、その理由がわかりやすく、彼の生き方に共感を呼ぶ作品だと思う。見てから知ったことだがアカデミー賞も音楽でとっていたようだ。

 最近公開されたゲバラの2本の映画も見てみたくなった。秋の夜長ならぬ年寄りの暇はいい映画で潰すに限る!

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