流行の「里山」

 昨日は同窓会関係者と総会の打ち合わせに行ってきた。その後の会食中に「里山を・・・」といった話題を出してきた先輩がいる。私の数期上のコンサル業の方だ。

 話しているとどうも話がかみ合わない。どうも「里山」と「自然の山」とを混同しているのだ。私自身、もう二十数年前から里山に興味を持って見て歩いた時期もある。好きで何度か訪れている土地もある。

 里山は決して「自然」ではない。人間の手が入った、元々は「自然」の産物なのだが、長い間人の手が入り続けたことによって「人工」に近くなった存在なのだ。植林の林や森を「自然」とは言わないのと同じくらいに「人工」なのだ。人工的に作った公園の緑を「自然っていいね」と言っているのと同じなのだ。

 自然との決定的な違いとして、人による管理が無ければ存続できないという点がある。手を入れ続けなければ里山も植林された木々も荒れてしまうのだ。自然の森は違う。それ自体バランスのとれた存在で、人の手を入れることは自然のバランスを壊すことになるのだから。

 どうもマスコミのいい報道や評論家連中のいい加減な情報で間違った理解をしている人が増えている。いまさら話題にして騒いで欲しくない。どうせまた忘れ去ってしまうのだろうし。